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あーカーヌスティーは終わった/第147回全英オープン

メジャーは、ゴルフ界、メディアが盛り上げ、始まる頃にはゴルフファンは気分高揚して出来るだけ楽しもうと張り切る。終わってみれば、誰が勝っても虚脱感がある。プレーしたわけではない我々もアドレナリンが出るのじゃないか。(笑)

近年、印象深いメジャーというと全英オープンが多い。例えばフィル・ミケルソンが勝った年、アーニー・エルスが勝った年。トム・ワトソンがスチュワート・シンクにプレーオフで敗れた年、前回のカーヌスティーでガルシアが6フィートのパットを外し、パトリーグ・ハーリントンが優勝した年。最終日は申し渡したように風が出て、良いショットを打ち続けていたものが勝つ印象がある。

アメリカで開催する他の3つのメジャーは、人為にコースを作りすぎてゴルフの原点から離れ、テレビ向けの興行色が強くなりすぎているのではないか。わたしだけだろうか、選ばれる開催コースにも飽きてきた。

今週のカーヌスティーは特に天候でコースコンディションと難易度がガラリと変わり、連日ゴルフの醍醐味が味わえたと思う。一日目と三日目はどれほどコースが違ったろう。そうして最もタフになったのが最終日だった。

大会前、タイガーはコースを見て、日曜日は10人のプレーヤーが優勝争いするだろうと言ったそうだが、まさにそうなった。ー9が3人、差を縮めるのは容易ではないと思ったが、8ホール終了時点で、タイガーは首位タイ。10番ホール終了時で、単独首位になった。

フロント9では、公平であるべきアナウンサー、レポーターや解説者もタイガーを応援している口調だった。そうだろう、ヘイターでなければ、4回目の腰の手術からツァー復帰し、メジャーで優勝争いするまでに調子を戻してきたタイガーに、勝たせたいのが情だろう。

10番で、3ウッドのティーショットが左フェアウェイバンカーに入り、アゲンストの風、グリーン点前にバーン(川)がある状況でグリーンを狙うのはリスクがある。タイガーが直接狙う様子にテレビブース内も静かになった。ピンまで151y、PWで渾身スイング。あのショットを打てるのは、というかあのスイングが出来るのは数少ない。グリーンフロントエッジで、ファーストパットはもう少しで入りそうだった。しかし、わたしは嫌な予感がした。

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嫌な予感がしたのは、スコアを落とすまいと強引なマネージメントを続けていると、いつか裏目に出てかえって高くつくのではないかと思ったからだが、早速次のホールで目撃することになって泣きたい思いであった。

11番、左前から吹くアゲンストが強い。ティーショットは3番アイアンか、右ラフへ。残り184ヤード、6番。ボールは左に飛び出し、グリーン左側にいたギャラリーに当たり、その男性の携帯電話に当たり、グリーン奥のラフに転がる。ラッキーブレーキだった。その幸運を生かさずロブショットがグリーンにショート。あれはメンタルミステークと言われてもしょうがない。ダボにして、これでほぼチャンスを失ったと思う。

ベテランの解説者、ジョニー・ミラーは実に勝負の流れを知っていると感心する。見逃した部分を後刻DVRで見直すが、タイガーとモリナーリが9番ホールが終わったところで言っていた。「タイガーは今日モリナーリに勝てたら、優勝するチャンスがかなりあると思うよ。」(この時点でタイガーはー7の首位タイ、モリナーリはー6だった。)

上位の誰もがボギーやダブルボギーを叩く間、グリーンを逃しても確実なショートゲームとパットでパーを重ねていくモリナーリ。ついに14番でバーディ。最終日というので、距離がたった501ヤード。今日はイーグルも出ていた。モリナーリ、ー7、タイガーはー5。

上がり3ホールの難しさから、ここから挽回することは至難に思われた。

14番のバーディでー7に戻したザンダー・シャーフェルがスコアとしてモリナーリを脅かす位置にいたが、盤石の安定度のモリナーリを見ていると、彼に流れは向いているように思われた。

最終ホール、モリナーリもタイガーもフェアウェイ右サイド。タイガーはスイングの途中でギャラリーから叫び声を上げられたが、ダウンスイングの後半に入っているところだったのか(?)、ひどいミスショットにはならなかった。タイガーは119Yからピン右下に良いショットを打ち、モリナーリは113Yからピンに更に近く打つ。勝負はついたあとで、集中が切れたのだろうか、あるいは勝てる位置まで来て自滅したことで神経が揺らいでいたのだろうか、最後のバーディパットを外して苦い終わり方だった。

モリナーリは一日中良いパットをしていた。メジャー初優勝のプレッシャーを感じていないわけがないが、この2ヶ月でヨーロッパツアーのメジャーと言われるBMW・PGAチャンピョンシップで優勝、イタリアンオープンで2位、PGAに戻りクイックローン・ナショナルで優勝、ジョン・ディアで2位タイ。メジャー優勝の絶好のチャンスと自信があったろう。バーディパットを入れ、ー8。

土曜日、日曜日とボギーが1つもなかったゴルフは、難しいカーヌスティーで見事なプレーだった。イタリア人初のメジャー優勝者。ワールドカップはフランスでゴルフ最古のオープンチャンピョンシップはイタリアだった。(笑)

ラウンド後、タイガーが週末応援に来ていた子供達とハグするシーンは見ている側にも胸に迫るものがあった。おそらくカメラが向いているのを知っていたのだろう、顔をあげたタイガーはちょっと困惑したような顔で涙が落ちていたと思う。

記者会見で、レポーターに聞かれたタイガーが説明していた。終わって子供達がハグしてきて、それもきつく抱きついてきたのは子供達も感極まっていたからだ。自分の子供達は自分が優勝した時のことを見ていないか、覚えていない。故障で苦しんでいる父親をずっと見てきて、この試合が父親にどれほどの意味が持つか、再びゴルフすることが出来るのがどれほど嬉しいか分かっているからだ。

月日が経つのは早い。上の女の子が11歳、下の男の子が9歳。


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エドワード・モリナーリが最初にツァーに出てきて、フランセスコ・モリナーリは後だったが、兄弟で数々のチームプレーにも出た。2006年のマスターズではフランセスコがお兄さんのエドワードのキャディーをした。わたしは覚えていないが、予選でタイガーと回ったのでしょうか。


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タイガーはモリナーリのラッキーチャームかも知れない。つい3週間前、タイガーホストのトーナメントに勝ったばかり。


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奥さんのビクトリアと。


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タイガーはボジティブなことはいっぱいある。誰しも、タイガーがもう一度ツァーで優勝するゴルフに戻っていると確信したろう。スコットランドの寒い雨でも、ラフからの渾身ショットでも、腰になんの支障もなかったこと、この全英オープンでワールドランキングが50位になり、2週間後のWGCブリジストンに出場資格を得たこと。

とういうことで、カーヌスティーの全英オープンは終わった。

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コメント


タイガーがトップになった時
(今まで何度も伝説を創ってきた人だし)
もしかして、もしかするとー?!Σ(゚∀゚ノ)ノキャー
って思いましたが、、、残念でした。

でも、そう遠くはなさそうですね、タイガーの復活!

松山クン、、、大丈夫かしら?(ノд-。)

>のっくさん

映画じゃあるまいし、そうは簡単にメジャーを勝たせてもらえないだろうと思っていましたが、フロント9で2つバーディを取ったときに、ひょっとしたらと期待してしまいました。
ゴルフ力は戻っていると思いますが、復帰後の1勝をあげるまでにはメンタルの強さが要ると思います。
タイガーが優勝にからんでくると格段におもしろいですね。アメリカでの視聴率は2006年にタイガーが全英に勝った時以来の高さだったそうです。

松山くんはほんとに惜しかったと思っています。木曜日は内容も悪かったですが、金曜日は良いショットを打っていたし、予選さえ通れば土日そこそこ良いスコアを出せたのじゃないかと思います。
カーヌスティーはタフなコースなので、経験のためにも4日間プレーしてほしかったです。
メジャーでキャディーを変えたのも、わたしは疑問に思ったのですが。

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