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衝撃の出来事

ここらはすでに雨がかなり強くなっています。

今日午後から明日にかけて台風の影響で風雨が強くなるという予報で、明日いっぱいまでコーヒー豆が足りそうにないので、午後1時過ぎ買いに行くことにした。

このマンションの駐車場は機械式で、わたしの車は地下2階だから、車が上がってくるまで1分半ぐらいずうーっとボタンを押していなければならない。屋外で、今日は傘をさして。

その押している途中で、通りががりの女性が近ずいてきて、「ここまで何回か人に聞いてきたんですけど、どこか分からなくって。ここはどこか教えてもらえませんか?」

手には住所がある封筒を持っているが、わたしも傘をさしている、彼女も荷物を両腕に持って傘をさして、それほど近くに寄れない。

わたし「老眼なんで読みにくいんですけど、住所を読んでもらえません?」

女性「(恥ずかしそうな声色で)読めないんです。初めてのところなんで知らないから。」

彼女は字が読めないのだ。

今考えたら、何と愚かな質問をしたことかと、自分を責めている。身なりや(決して汚いなどの意味ではありません)、心細そうな歩き方、話し方で想像できたはずだ。今の言葉でいう知的障害者だと思う。

わたしは彼女の封筒をとって住所を見た。それほど字は小さくない。

「ああ、ここの近くですねー。どこなんだろう。」

そこで住所の上にある宛名に気がついた。すぐ近所にある、大きなリハビリ施設の名前だ。老人専用の通院リハビリと、入居者がいる。入居者は認知症患者もいると思われる。

「主人がね、入院してるんです。○○の手術したんだけど、やっぱりここに入院しなくちゃいけないって言われて。」「主人の代わりにね、ガス代や電気代払いに行かなくちゃならなくって。」

わたしは身振りも入れて、何度も何度も行き方を説明した。

「こっちへ歩いて、すぐ次の角を右に曲がって、その次も右に曲がるんです。このマンションの隣なんですけど、こっちは裏側だから、あっち側が入り口なんです。」

「駅から15分ぐらいって言われたんだけど。」「休みの日しか来れなくて。」

行き方を聞く間も、わたしが説明する間も、彼女の身の上と状況の説明が続く。でも言ったことは分かっているように思えた。

やっと彼女が「ありがとうございました。」と歩き去る。

「まっすぐね?」と最後に聞くので、「そうです。」とわたし。

車を出し道路端に止めて、再び機械式のボタンを押して地下に戻す。

車に戻る時、前方の道路を見て愕然とした。彼女は曲がるべき角を通り過ぎ、ずっと先に行ってしまっていた。

彼女が最後に、「まっすぐね?」と聞いたとき、再度説明すれば良かった!

雨はしだいに強くなっている。彼女を放っておいたら、あと30分もたどり着かないかも知れない。雨の中歩いている人も少ないから聞くにも聞けないかも知れない。

わたしは少なくとも彼女に追いついて、そっちからの行き方を説明せねばと思った。おかしいと思ったのだろう、次の次の角を曲がったその先でこちらに戻ろうとしている彼女、顔は困惑と心細さが出ている。

今時のご時世、会ったこともない人を乗せてあげようと思ったことはないが、たった200ヤードだ。(何でわたしはすぐヤードが出るのか・・笑)

左の窓を開けて、「奥さん、こっちじゃないのよ。車で連れていきましょうか?乗っていく?」

嬉しそうにドアを開けようとするのだけど、ドアが重いのか(たぶん右腕に重そうなバッグをかけているからかも)、「開けられないー。」

「ちょっと待ってね、そっちに回るから」

車を降りると、後ろで待っている車がいた!!

ここはマンションとマンションの角のL字路で狭い。女性のそばに止めるとほとんどの道の真ん中だった。

手を上げ、平身低頭して、助手席側の回ってドアを開けると、「車壊したら悪いから」と照れたように言う女性。

わたし「大丈夫、ゆっくり乗ってくださいね。」

女性「運転できるのー?羨ましい。」(笑)

後ろの車に、「どうもすみませんでした」とお辞儀して運転席へ。あー、やれやれ。

「主人はグループホームに入っていたの。」「私は○○○○から来たんだけど、ここら辺は初めてだから分からないの。」「私もグループホームに入ってるんだけどね。」「9時から4時半まで作業だから、休みの日じゃないと来られないの。」

短い間も、彼女は次々と話す。

そうして施設の前の道路に車をとめ、ちょっと見ても駐車場に入る入り口は分かるが、徒歩で入る玄関がどこだかわからない。えいや、乗りかかった船、ここまで送ってきたんだから施設の中まで送っていこうとハザードランプを点滅して車を降りる。

彼女と建物の右に周り、左に周り、ついに入り口へ続く道を見つけた。

わたし「ここ、ここ、ここですよー。」

彼女は前の道路で立っていた。不安そうな顔で、「帰りのバスはどこで乗るの?」

わたし「ここですよ。○○駅まで乗って行くんでしょ?」「そう。」

施設は自動ドアで開いたが、誰も見当たらない。大きな広間(たぶん食堂?)は電灯も消えている。

わたし「ごめんくださーい!」彼女「すいませーん!」

若いお兄ちゃんといってもいい年の人が出てきた。「近所の者ですけど、この方が道がわからないくて、案内してきました。」

お兄ちゃん、女性の足元を見て、「あーここは入っちゃいけないんです。(と押し戻す身振り)ここでスリッパに変えて下さい。」

「あーそうなの。ここでねー。」と女性は気にする様子はなかったが、頼むよ、お兄ちゃん、親切にしてあげてよと思う。ここまでくるのは大変だったのよ。

つい近くまで来てからでさえ、これだけ難しいのだ。彼女はいったい何時に家を出てきたのか、想像したくないものがある。

マスクをかけていたので推測は難しいが、声が若いし肌つやから50代終わりから60ちょっとぐらいじゃなかろうか。

わたしに衝撃だったのは、彼女の知的能力では知らない場所にたどり着くのがきわめて困難なことだ。明らかに字を読めないだけの問題ではない。グループホームに住んでいるというし、少なくとも衣食住は保証されていると思いたい。障害者が外出する必要がある時、同行する近親者がいない場合、政府がエイドをつけられないのだろうか。

女性はその施設に2、3日泊まるような事を言っていた。無事に目的を達して、帰宅してほしい。

健常者は(わたしはこの健常者という言葉が大嫌いだから、障害がない者というべきか)、知的障害がある人が、どんなことが困難でどんなことが容易なのか一般的に無知だと思う。それを知る機会があることは良いことだと思う。

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