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第113回全米オープン終了

タイガーのことは後述するとして、実に見ごたえのある全米オープンだった。古い世代の解説者やゴルファーはみな昔の全米オープンスタイルに戻ったと嬉しそうなコメント。度が過ぎて、今のプロ達は(こんな設定のコースを)どうプレーするか知らないのだと得意げだ。

まあそうも言えるかも知れないが、昔は風アゲンストの日に266Yの設定はしなかったろう(今日の3番ホール)。

USGA委員長のマイク・デービスは土曜日は「良いスコアが出る日になるだろう」と言ったが、良かったのは天気だけ。変わらずタフな日だった。アンダーパーは5人のみ。

彼は実に現金な人で、昨日はインタビューでも見てあからさまなほど鼻高々、笑いを堪えきれないような顔をしていた。

最終日は、腕によりをかけてタフなピンポジションにしたもよう。下はUSGAが出したピンシート。(クリックすると拡大)

Sun_holelocation

テレビの画面ではわかりにくいが、どのグリーンもむちゃくちゃ端に切ってある。しかも、グリーンの傾斜は複雑でスピードは速い。このピンシートを見ると、これでバーディを獲る世界のトッププロ達のレベルの高さは想像外だ。

松山英樹も大したもんだ。(笑) 本日のロースコアタイ。67を出したジェイソン・ダフナーも同じくバーディ6個。

最終日には首位ミケルソンが1アンダー、ハンター・メイハン/シャール・シュワーツェル/スティーブ・ストリッカーがイーブンパー、ビリー・ホーシェル/ジャスティン・ローズ/ルーク・ドナルドが1オーバーでスタート。

ミケルソンは全米オープンに過去5回も2位につけていることと、メジャー複数回優勝者、先週からショットもパットも好調になっている・・・経験値と実力から言ってミケルソンが勝つべきと思ったが、何が起こるかわからない全米オープン。去年だって、誰がウェブ・シンプソンの勝ちを予想したろうか。

まずは、スティーブ・ストリッカーは2番パー5でティーショットOB、フェアウェイからの4打目をシャンク。「8」を叩いて戦線脱落。彼は良いプレーヤーだがメジャーを獲る器ではないのかも知れない。

Sun_luke_4th

ルーク・ドナルドが優勝出来たか疑問だが、3番パー3の266ヤード、ドライバーでのティーショットが左のツリーラインに行き、ボランティアの女の子の頭に当たった。彼の人柄からして、メンタルがとても回復できまいと思った。(画像は次の4番ホール、クリークそばのラフから片足を水に入れてのショット)3番ホールからボギー・ボギー・ボギー・ダブルボギー。

マスターズチャンピョンのシャール・シュワーツェルがメジャーのプレッシャーで萎縮したような崩れ方をしたのは驚いた。外には出さないが彼は良い意味でも悪い意味でも、かんしゃく持ちではあるまいか。

スティーブ・エルキントン(95年PGAチャンピョンシップ優勝)のツィッターをよく読むが、彼がハンター・メイハンのスイングのことを最終日には保たないだろうと言っていた。その通りでプレッシャー下で何ホールか右に打ち込んでいた。バーディパットもショートしてばかりでラウンド半ばで彼の優勝はないと思われた。

こんなタフな設定で、パーで十分な最終日になると、ミスが少ない者がサバイブしていく。

DVRを早送りしながら、ジャスティン・ローズのプレーを再度見ていった。ライブ中継中、彼のゆったりしたスイングテンポが少しも変わらないのに感服したが、ミスショットらしいミスショットは14番452Y、フェアウェイからの2打目をグリーン右バンカーに入れたのと、そこからのバンカーショットだけではないか。

そもそもこのホールはタフなうえ、ローズがティーショットを打つ頃から雨が強くなった。

確実で安全策のコースマネージメント、ショットにミスがなく、バック9でのボギーは14番以外ではパットがオーバーしての3パット。1981年、このコースでの全米オープンで優勝したデビッド・グラハムはエッジにオンした3ホールを含めると全グリーンでパーオンしたという。今日のローズはかなりのグリーンオン率だったろう。

16番のセカンドショットも良かったが、2,3フィート足りずグリーンの傾斜で戻った。17番229Yは5番アイアンでティーショット。これもピン筋で最後にホップして右のセカンドラフへ。何のウェッジでチップしたのか、入りそうなショットだった。

18番ティーに立った時は、自分が単独首位、ミケルソンが2オーバーと知っていたろう。(ミケルソンは15番でボギー)

Sun_rose_18th2nd_220y Sun_rose_18th_chip

難関最終ホール、今日の設定は511Y。ドライバーでフェアウェイに打ち、2打目は「ホーガン・プレート」より8ヤード後ろ。ピンまで220Y。4番アイアン(訂正)、このショットは素晴らしかった。芯食ったときの独特の音。ピン右横40cmぐらいを通り、後方のセカンドカットラフ。「ああいうライはチップでミスが出やすいので3Wでチップした」と本人。確か昨日土曜日もどこかのグリーンサイドから同じようにフェアウェイウッドを使っていた。

Sun_rose_18thgreen

タップインパーでフィニッシュしたとき、ボールにキスして空を仰いでいた。明らかに天国の父親に捧げたものと思われた。多くのゴルファーのように、ローズも父親のてほどきでゴルフを始め、若い頃は父親が唯一のコーチだった。彼が21歳の時、その父親を白血病で亡くしている。この死はかなり堪え、長いこと響いたと言われている。

1998年の全英オープンで左ラフからのチップショットをカップインしたシーンは、過去に何度もTV中継で流れた。あの17歳の可愛い顔が忘れられないが、彼はベイビーフェースで顔は大して変わっていない。(笑) 彼はPGA6勝だが、WGCの試合や、フェデックスプレーオフのBMWチャンピョンシップ、ジャック・ニクラウスのトーナメント、メモリアルなど層が厚い試合に勝っている。

Sun_rosebuddymarucci Sun_rosedaymichaelkim

1995年の全米アマチュアでタイガーに負けたバディ・マルーチはメリオンのメンバーでオフィシャル(左の画像の左端)。2008年の全米シニアアマチュアに優勝している。こんなタフなコースでプレーしているから上手いはずだ。

右の画像。左のローアマのマイケル・キムはカリフォルニア大学バークレー校の学生。コースキャディを使って賢い。前述のスティーブ・エルキントンが「自分ならコースギャディを使う。1ラウンドで2打は違う」と言っていた。2位タイのジェイソン・デイ、わたしはみなが騒ぐほど才能があるプレーヤーとは考えていなかったが、今週の彼を見て見方を変えた。彼はメジャーを勝つという決意と根性がある。マスターズで3位、全米で2位タイ。そのうちメジャー優勝達成するかもしれない。

リーダーボード

最終日にパープレーしたローズが1オーバーパーで優勝は、全米オープンらしいチャンピョンシップだったと言えよう。ここまでに仕上げたメリオンのメンバーとスタッフ及びUSGAに感謝。32年ぶりの全米オープン開催だったが、おそらく将来も戻るだろう。

*

これで2位は6回目のミケルソン。全米オープンには勝たない宿命なのかもしれないとさえ思う。これほどタフな設定で、リスクがある作戦はとれなかった、とらなかったミケルソン。ドライバーを抜き、2W(3Wのロフトが立っているもの)と4Wを入れた。きついラフ用に5本のウェッジ。

週を通してラフからのショットも良かった。

最終日10番ホール、アプローチショットのカップインイーグル。それでも勝てなかった。

今日で43歳のミケルソン。3回のマスターズ優勝、PGAチャンピョンシップ優勝。この全米オープンに勝たせたいと思ったファンは多かったろう。

どの試合でも彼のラウンド後のインタビューは素晴らしい。自分のゴルフに対する冷徹な分析と正直な答え、彼は怪物だ。

*

Sat_tiger_1w Sun_tiger

土曜日はあまりのタイガーのプレーに落胆を通り越して仰天したが、あちこちと情報をあさった結果、5月に優勝したプレーヤーズ・チャンピョンシップで左肘を傷めたことが分かった。

今週ラフからのショットで初めて痛かったわけではないことは、彼のインタビューの答え方で推測できた。タイガーは故障を極端に言いたがらない。3日目のあとのインタビュー。

どんな風に感じるのか?「...痛み...」

どうやって傷めたのか?「...ゴルフしていて...」

いつやったのか?「...2,3週間前...」

と極めて口数が少ない、無愛想な答え方。嘘はつきたくないが最小限のことしか言わない意図がありあり。(笑)

土曜日のスタート前のウォームアップではかなり痛がっていたそうだ(目撃したレポーターの言)。中継のDVRをよく見ると、ラフからのショットのあとのみならず、ティーショットのあとも左腕を体におしつけたり顔をしかめたりしている。

メジャーでもなし、5回も優勝しているメモリアル・トーナメントで65位タイという成績も説明がつく気がする。

痛みをこらえながらのラウンドは、全米オープン設定のコースではあまりに厳しい。よってタイガーのプレーぶりは心配していない。故障が深刻ではないことと十分な休養が出来るよう願っている。

今月末は自分がホストのAT&Tナショナル、来月は全英オープン、8月はPGAと大きな試合が続くが、体優先にしてもらいたいもの。ゴルファーは長年にはどこかここか故障が来る。タイガーの37歳は我々の37歳ではないのだろう。

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コメント

>メリーさん
タイガーの不調はひじの痛みが原因でしたか・・TVでもときどき解説者がひじのことを言っていましたが・・
ホッとしました、でも心配ですね~
無理しないで、完治してから次の試合に出てきてほしいけど?
早く完治するよう祈るばかりです。

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E-Mail : miya@xtra.co.nz
  Home page : http://www.golfingworld.co.nz
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>Bogey-Donさん

タイガーのプレーは目を皿のようにして見るので(笑)、痛みが少々ではないことは分かっていました。
今日発表しましたが、2週間後のAT&Aナショナルは出場しないそうです。
これは自分がホストのトーナメントであり、AT&Aは彼のファンデーションの最大寄付者であること、
ディフェディングチャンピョンであることを考慮すると、故障は休養と治療が最優先のレベルということでしょう。
全英オープンには間に合うと言っていますが、全治癒まで無理しないでほしいと思っています。
ジムで鍛えて外から見るとグッドシェープですが、長年の練習で身体はかなり堪えているのでしょうね。

>宮さん

宣伝は載せないのですが、ゴルフ留学ということでアップします。
ニュージーランドからどんどん強いアマチュアが出てきますねー。
ジュニアゴルフの環境が整っているのでしょう。
アメリカは今に遅れるのではないかと思っています。

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