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第141回全英オープン/アーニー・エルス優勝

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優勝予想をするのが下手で、わたしはもう予想ごっこはやめようと思っているが、不覚にもアーニー・エルスは全然マークしていなかった。

土曜日に68を出しているのに。あれほどパットを外して、3日間67・70・68だ。どれだけショットが良かったかが分かるが、注目していなかった。

考えれば当然であるが、ツァープロは出場するからには勝つ目があると思っているものだ。無名プロだったベン・カーティスが全英オープンに優勝したとき、記者会見で「金曜日の夜、キャディーに『これは俺が勝てるぞ』と言ったんだ。」と語っていてわたしは仰天した。金曜日に?!

今日のエルスは記者会見で、「今朝、横になっているとき、ふと頭をよぎった。『もし勝ったら優勝スピーチで何を言おうか?』。それで、『あ!ネルソン・マンデラのことを話さなくちゃいけない!」と思ったんだ。」

表彰式でメモをとりだしてスピーチしたのは、ホールアウト後に大急ぎで書いたわけではあるまい。(笑)

*

土曜日のタイガーのパーフォーマンスにはがっかりしたが、それはまあアダム・スコットが11アンダーにもスコアを伸ばしたゆえの心理と、タイガーはメジャーを後ろから来て勝ったことがないという事実からの憤りだろう。(笑)

冷静に考えれば、マクドーウェルとスネディカーが7アンダー、タイガーが6アンダーで悪くないスコアだ。

更に冷静に検討するに、スコットの11アンダーは次位とたった4打差のうえ、スコットが終日11アンダーを維持出来るわけがないと気がついた。

そうしてわたしの計算によればスコットが9アンダーまで降りてきたら、タイガーには大いにチャンスがある。下から追いかけている者がチャージをかけ出すと、首位はさらにミスが増える。9アンダーが8アンダー、7アンダーになるかも・・・と考え、枕を高くして寝た。(笑) 

さて一晩明けてみると、今日という今日は予報通り風が出ている。

しかし風があるコンディションはサンデープレッシャーに加え、誰しものスイングとショットの結果に影響した。

アダム・スコットのスイングは既に昨日までのそれとは違う。タイガーの、バンカーとラフを徹底して避けるアイアンでのティーショットも、長いセカンドショットが風でさらに難しくなる。

スコット、マクドーウェル、スネディカー、タイガー、いったい何回バンカーに入ったことか。

6番492Y。前回までの全英オープンではパー5だったホールで、今週もっとも難しいホール。タイガーは昨日まで3日連続でバーディにしているが、今日はコースに復讐され、トリプル。

ティーショットを3Wで打ちフェアウェイキープしたがセカンドは218Y。5番アイアンが1ヤード足りずに左バンカーへ転がり落ちた。

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最初のバンカーショット、どういう選択があるかキャディーと話しているタイガーに、解説のポール・エイジンガーは「なんで打とうとするのか分からない。アンプレーアブル宣言してドロップ出来る時に。」としつこく言う。

ボールはもぐっていたそうだ。最初のバンカーショットは、バンカー上のアゴに当てて右に跳ねさせる作戦だったが、ボールは上がらず左に跳ね返った。2度目はかろうじてアゴに当たり、右へ。40フィートからせいでもいい3パットをした。

*

サンデーバック9というが、エルスのバック9のチャージはすごかった。風でコースは1時間単位に乾いていく。

毎ホール、ピンハイに打つショット力!

10番、12番、14番をバーディにしたが、ほかに11番も、短い16番で右ラフからチップで寄せたときも、17番でも、入らなかったが現実的にメーカブルなバーディパットだった。

18番413Y。エルスのドライバーショットは、フェアウェイを転がり、左バンカー群の右をすり抜け、セカンドは残り100Y。きっぱり100ヤードというのも縁起が良い気がしたが(爆)、あのパットが入ったときは思わず立ち上がって拍手した。

メジャーのバック9であれだけのショットを打ち続け、パットを入れたらもう勝つ運命にあるというか、勝つように出来ている。

アダム・スコットが首位を維持出来ないだろうとは予想していたが、最後の2,3ホールは見ていて酷かった。

16番で3パットボギーにしてからは、スコアはまだ8アンダーだったにもかかわらず、もう運命の方向が決まっているかのように見えた。

*

エルスとスコットは、プレジデンツカップやエルスが主催する、自閉症チャリティーゴルフを通じて親しい友達だそうだ。

去年の同チャリティーゴルフではスコットはエルスの自宅に滞在したという。

エルスが勝った瞬間、キャディーのロッキー・ロバーツに「まず最初にアダムに話をしなきゃな。」と言ったそうだ。

記者会見でスコットにこの敗北がどう堪えるか聞かれて、「(メジャーで優勝を逃した)僕も何度も経験がある。良い気分じゃないよ。アダムと僕は違うから、彼がどう受け止めるか分からないけど、僕の経験のようにハードじゃないことを願っているよ。」

エルス自身も、タイガーがいなければメジャーあと2つ、3つ獲れたかも知れないと公言してきたが、タイガーが最も強かった時代に、PGAツァーやヨーロッパツァー、あるいはプレジデンツ・カップで拮抗に戦った、戦うゴルフ力があった唯一のゴルファーがエルスだった。

ESPNスポーツアナウンサーのマイク・トリーコのように「売り線」とばかり強調するつもりはないが、トッププロとして世界中で出場する中、家庭を持ち、自閉症の子供を育てる親としての人生のバランスは容易ではなかったろう。

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優勝スピーチで、「(息子の)ベンはTVを見ていたと思う。ゴルフを見るのが好きだし、僕がボールを打つのを見るのが好きなんだ。」

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練習グリーンで待っていた長年のキャディー、リッキー・ロバーツは優勝が決まった瞬間ベソをかいたような顔をしていたが、インタビューで泣きながら、「人はエルスが努力してないとか言うけど、何も知らないんだ。彼ほど努力している者はいないし、誰よりも優勝の願望がある。彼のためにほんとに嬉しいよ。」

*

いろいろな意味で嬉しい。アーニー・エルスとフィル・ミケルソンはタイガーと同じ年代に戦った、ライバルでもあり同士でもあるというような感慨がある。

彼らが以前のように勝たなくなったこの数年、またタイガーの突出した強さが見られなくなり、これまで15回のメジャーで違う優勝者だった。

出てきたばかりの若者がメジャー優勝する時代になった感があるが、我々は心のどこかで、彼らがタイガーはもちろん、エルスやミケルソンの才能や器ではないことを知っている。

エルス42歳。去年の全英オープン優勝者のダーレン・クラークも42歳だった。

ゴルフ界はタイガーがいつメジャーに再び勝つかと煽る。42歳までタイガーはあと6年もあるのだ。それも嬉しいじゃないか。(笑)

ということで、全英オープンは近年では非常に楽しいメジャーだった。

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