2011年クラフトナビスコチャンピョンシップ帰結
多くの方がご覧になったでしょうか?
LPGAのゴルフに勝者予想でお金を賭けるのはあまり聞いたことがないが(笑)、わたしの予想率は、ヤーニー・センが4とするとステーシー・ルイスが1、モーガン・プレッセルが0.5だった。
ゴルフというのは、毎日変化するのは素人が一番身に染みていることだけれども(それは意味が違う・・?)、土曜日のショット、土曜日のパットが翌日にもう出来ないのもゴルフの難しさの一つであり奥の深さか。
ベストのゴルフをしていない日に勝つということは、メジャーでは至難の業に違いない。
中継が始まってほどなく、ヤーニー・センのパットが悪いことに気がつく。オーバーしすぎる、カップインしそうに見えず通り過ぎる。
2打差をつけてのスタートが、4番パー4をボギーにして既に12アンダーのタイになる。
そうして5番パー3、183Yでセンのキャディーが後ろに立ってアラインメントを確認していた!これには愕然。毎ショットしているようには見えなかったから、狙いどころが不明瞭なときに頼むのだろうか・・?
(ちなみにわたしはこのLPGA独特の『プリショットルーティーン』が嫌いだ。ルールで禁止すればいいのに。男子ツァーで唯一これをやるのがケビン・ナーで見ていると大の男が!と泣きたくなる)
6番パー4のピンハイ左からのパットでは、解説のジュディー・ランキンがセンのパッティングストロークを「昨日より遅いグリーンを気にしているのか、ボールをパンチしているように見える」
別なグリーンでは、「今日のセンは臆病なストロークをしている」(ボロクソな)
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ところで2組前を回っていたモーガン・プレッセルは、このグリーン前が池の6番で2打目をハイブリッドで打ち、池の右側の岩に当てそれが右横のパームツリーに跳ね、落ちたボールはさらに硬いもの当たったか跳ねて池ポチャ。
プロツァーで見ているとハイブリッドをプレッシャー下でミスショットするとリカバリー出来ないほど右に吹ける。いわゆる「プッシュアウト」というような範疇に入れられないほど右に行く。
おそらくメーカーからの宣伝の「薦め」だろう、数年前ラティーフ・グーセンが使っていてやはり何かの試合で優勝がかかる18番ホールでやった。ティム・クラークもやったな・・。
わたしが言いたいのは(疑問は)、プレッシャー下で右利きプレーヤーが右フケを出すのはよくあることだがハイブリッドだと何であれほど大きく右に逸れるのだろうということだ。
2つバーディで10アンダーにつめてきていたプレッセルはここでWボギー。
代りに泣きたくなる。
しかし、プレッセルはよく我慢してラウンドした。
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今週のルイスのプレーで印象的だったのはラフからのショットが上手い!
彼女は背骨が大きく曲がっていて、ティーンエージャーの頃7年半も硬いプラスチックのブレースを毎日18時間はめ(ゴルフのときだけ外した)、高校3年生で金属ボルトを入れる手術をした。
ゆえにどうも強くないというイメージがあってラフからのショットが上手いのは意外な気がするが、これもボール位置やテクニックが大きいということがよく分かった。
そういう点を解説のジュディー・ランキンはすかさず指摘するから嬉しい。
(けなされていたのは先週インダストリーヒルズでのミシェル・ウィーで「何でシャフトを短く持たないのか理解出来ない」と言われていた。 ちなみにあのコースの右ラフの草はしこたまタフです)
それと、ルイスのラフからのショットを見ていて、芯で打つというかクラブフェースの真ん中で打つことがいかに大切かと感じた。
ま、練習場でさえ芯で打てないアマチュアはしょうがありませんがね。(←わたしのことです)
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流れが変わったというより、両者のゴルフの内容がスコアに如実に出てしまったのが9番パー5。
ヤーニーは3打目フェアウェイからのチップが大きすぎピンハイにランドし、奥ラフまで行ってしまった。ルイスのチップは左ラフからで、これもグリーン奥ぎりぎりまで転がった。
ここからのセンのチップは今一だったが、それにしても4フィートかそこらにつけたろう。先にルイスが8,9フィートのバーディパットを入れた。これが大きかったと思うが、それがヤーニーの次のパットにどう影響したか、これはプロでメシ食った人にしか言えないでしょうね。
その1mちょっとのパットを外した。あれは押し出したのだと思うが、ジュディー・ランキン「臆病なパットじゃなかったわよね。」(あんたッ!)
これで順位は入れ替わり、ルイスが13アンダー、センが12アンダー。ここからセンはついに追いつくことがなった。
記者会見でセンは、「風が強くてコースはタフだった、自分は考えすぎたのかもしれない。考えすぎないように努めたけど、風は舞っているしグリーンは硬いし、毎度パーフェクトなショットを打とうとした。ちょっとそれを頑張りすぎたのかも。」と語っていた。
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気がついたところでは、ルイスがセンをオーバードライブしたホールが2箇所はあった。センはロングヒッターで彼女より飛距離があるのは数人しかいない(ローラ・デービス、ウィー、リンシコム、マリア・ヨースかな・・)、アドレナリンを考慮しても立派な飛距離。
これはかなりトレーニングをして飛距離をアップしたそうだ。
ジュディー・ランキン「自信に関していうと、飛距離が伸びるほどプレーヤーに自信を与えることはないのです。」
やっぱりねーと思った。(笑)
飛距離が伸びるのは喜びであり、スイングが良くなっているという意味であり、スコアメークも楽になるから、ほんと、わたしも諦めず頑張ってるんだ。(放っといて下さいw)
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最後に書いておきたい、ルイスの素晴らしいパット。
17番パー3、169Y。ルイスが5番アイアンで打った途端、コースレポーターは「ミスヒット!」と言った。右バンカーへ。
ダウンヒルライかも知れないとTVは言っていたが、ルイスは砂を薄く取ってボールは反対側のエッジまで転がる。「No sand.」とキャディーに言う。ショットの前に靴でぐりぐりとスタンスを取ったとき、シューズがあまりもぐらなかった。砂はあったが、表面の柔らかい部分が薄かったのかも知れない。
ヤーニーは左下からのファーストパットが大きく、これもカップの向こう側に転がる。
ルイスは、1フィート以上右から左に曲がるパットを入れた。入れた本人がショックだったような顔をしていた。このあと、膝に手をつき、頭を下げ前傾していたが、「心臓が早く打っていたし、このあと(最終ホールで)5打プレーしなくちゃいけないと思って、落ち着きたかったから。」
また、この時初めて勝ちを意識したと言っていました。
18番の3打目をグリーンに打ち、2パットで優勝。最終日69、トータル13アンダー。右はキャディーのトラビス・ウィルソン。
この恒例のシャンペンシャワーについてルイスは記者会見でおもしろいことを言っていた。かけてくれたのはみんな友達だ、以前話したときにその中にはビールをかけてもらいたくない友達もいる、自分がもし勝ったら、好きなだけビールかけていいからと言ったのだそうだ。(爆)
しかし、次々とシャンペン、ビールをかけハグしていく人数の多さは彼女がプレーヤー間で友達が多い、好かれている証ではないかと感じた。動かず、かけられっぱなしになっているステーシーが可愛い。
左で緑色のシャンペンのビンを持っているのはカーリー・ウェブ。ルイスの新しいコーチが、ルイスのスイングを直すとき、「ウェブのスイングを見たらどうだ。」と言ったという。
この池をポピーポンドと呼ぶらしいが、優勝者のダイブが伝統になって今は水を綺麗に維持しているそうである。ジョークのような話で信じ難いが一緒に飛び込んだステーシーのお母さん(右から2番目)は左足の骨を折り、表彰式が終わったあと救急車で病院に運ばれた。
( ̄□ ̄;
折ったのはヒ骨で、その晩にはブレースをはめて退院したそうです。
お母さんはまだお若く、グッドシェイプに見えましたけれど。
かねて思っていたが、この池は勢いよくダイブするには浅過ぎる。(その分おぼれる心配はないが)下はコンクリートなのでしょうね。
ということで、良い試合でした。これで勝てなかったからといって、ヤーニー・センが素晴らしいプレーヤーであることには変わりがない。本人も言うように、これを生かしてさらに強いチャンピョンになるでしょう。センの幼顔が残る微笑が良いですね。
リーダーボード(プレーヤーの名前をクリックすると4日間のスコアカードが出る)
早くも今週はマスターズです。きゃあーっ。
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